会員活動Ⅱに戻る   会員活動Ⅰ  トップページ
 福田 惠/Kei Fukuda古典技による額縁制作 」
  初めまして、福田惠(ケイ)です。第54回一期展から出品し3年になります。
 古典技法で絵画とオリジナルの装飾額の制作を長年しています。
 額縁制作のきっかけは、基本的に絵画の古典技法と額縁造りの材料が同じだった
 ことです。イタリアルネッサンスやバロック期の宗教絵画に見られる額縁に魅せ
 られ、独自の技法を交え、額造り20年、絵画人生半世紀が過ぎました。
 
 今回、額縁制作の様子を会員の皆様に紹介して欲しいとのお話しがあり、この度
 掲載する機会を頂きました。拙い仕事ではありますが、額縁の制作過程や使用し
 ている材料、道具等を紹介させて頂き、会員の皆様方の何かのお役に立てればと
 思っています。
   ーーー製作過程参考資料ーーー
画題:[Holy Night] ミニアチュール
   油彩.テンペラ混合技法.板に麻布.石膏時地
   Size:10.5×8.5㎝

額縁:木彫.石膏地.箔下砥の粉(赤)22.7k金箔水張り.
   古典技法.アンティーク仕上げ
 
   Size.40
×35.6×8.3cm
 
      ↑下地用材料 
 
左から顔料チタニウムホワイト
    
●イタリア産ウサギ膠
    ●イタリア産ボローニャ石膏
    
キャンバス、額の両方で使用
    ↑四角い台は自作の箔台
  上から
●金箔を磨く瑪瑙棒(イタリア/ゼッキ)
       ●箔ナイフ(Holbein)

     ●竹箸(箔座)
     ●箔刷毛(自作)
 
   
   箔下砥の粉(イタリア/ゼッキ、ボーロ)
    右から、金箔用(赤)
銀箔用(黒)
    ↑別のサンプルですが、
     額縁の木地から組み上げ、
     バーナーで
焦がして古美を出します。
 ⑤次に前日に水でふやかしておいた、ウサギ膠を60°の湯煎で溶かす   
 膠の湯煎:
  膠が溶けたら刷毛

  額全体に塗る

  ボローニャ石膏湯煎:
  膠水と石膏を合わせて
  よく溶かす
   石膏を10~15
  塗り重ねてその後
  ペーパーを掛ける
 ↑⑨箔下砥の粉(赤)を
  5~6回塗り重ね
  
瑪瑙棒で磨く。

↑⑩金箔水張り技法で箔を押
 す
%のアルコール水で
 金箔22.7kを貼る。
  (箔台自作)
  ↑⑪金箔が乾ききる前に
   瑠璃棒でみがく
  (ZECCHIの瑪瑙棒)

< ZECCHI(ゼッキ)とはイタリアの画材店で、古典技法の道具等売っています>
  あくまでも、私、独自のやり方です。少し詰めすぎて分かりにくいかも
 知れませんが、誌面の関係上ほんの一部を抜粋しています。額縁の木取り
 から組み上げ迄は、掲載出来ませんでした。古典技法は時間と手間がかか
 る仕事です。現代のようにスピードを求める世の中では時代に逆行する
 ような作業です。遠い昔イタリアのルネッサンスやバロック期の職人達に
 想いを馳せながら制作しています。

ーーーーー額縁とキャンバス造りの工房ですーーーーー

20225月記
会員活動Ⅱ   トップページへ
€€>>